「神の御姿は山人や天狗、また、その方などの眼に映ることはなかったか」
寅吉が答えた。
「師がご覧になったことがあるかどうかは知らない。俺は神の御姿をかつて見たことがないが、ときどき金色の幣束のような形のものがひらひらと空を飛んでいるのを見たことがある。これが神の御幸であるらしい。そのときは誰もが地にはいつくばって拝する」