|
「神おろしの神楽はどのように行うのか」
寅吉が答えた。
「神おろしの神楽をするときは、まず下界の子供を借り集めて浄衣を着せる。髪は唐子(※中国人の子供)の髪型に結い、小竹を束ねて持たせ、頭から水を浴びせる。
山奥の広い平地に図のような竈(かまど)を設け、釜を掛け、釜が隠れるくらいの大きな火を焚いて湯をたぎらせ、いろいろな神に供物を立て奉り(生きた魚。供物を釜に入れて煮る)、借りてきた子供にもいろいろなごちそうを食べさせ、機嫌を取って勝手に気の向くまま遊ばせる。
湯の沸き上がる様子を見て、寄せ奉れる神の機嫌の良いか悪いかを占う。終わりに、釜の湯に束ねた小竹を浸して振り散らす。神楽が終わった翌日には借りた子供達を里へ送り返す。これを神楽という。
この神楽を行えばどんな神でも寄り給わないということはない」
|